不妊治療の基礎知識・病院情報

共働き夫婦必見!不妊治療のための病院選びのポイント

病院選び

不妊治療を始めようと思ったとき、誰もが悩むのが病院選びではないでしょうか。日本産婦人科学会によると体外受精を実施する病院は東京都内だけで101施設あります。

一般的に不妊治療には健康保険が適用されず、費用は病院によって異なるうえ、病院ごとの評判も様々です。共働き夫婦の場合はさらに限られた時間の中での通院・治療となりますから、病院選びで失敗することは避けたいですよね。

そこで、実際に働きながら6年間の不妊治療を経験した当事者として、不妊治療、特に体外受精を考えている方が病院を選ぶ際に押さえておきたいポイントについて紹介します。

この記事は、患者側の視点でポイントを紹介するもので、特定の治療方法を推奨したり、医療情報の提供、特定の医療機関を評価するものではありません。医療に関する情報を記載する場合は根拠として信憑性のある出典元を補記しております。

はじめに 病院選びが重要な理由

不妊治療といっても、タイミング法や排卵誘発法、人工受精、生殖補助医療(体外受精・顕微受精など)がありますよね。今回は体外受精(顕微授精含む)を行う病院を対象とします。

日本には体外受精を実施する医療機関は616施設※あります。一方、不妊治療netが行った「不妊治療患者数及び病院数の調査」結果によると、不妊治療を行う患者は女性だけでも40万人と推定されます。(男性や潜在的なニーズも含めるともっと増えます。)そのうち、32%の13万人が首都圏に集中しており、首都圏は相対的に病院数が不足しているということです。

病院が不足している首都圏にお住まいの方にとっては、なおさら病院選びが重要になります。やみくもにネットだけの評判を鵜呑みにして選ぶことは避けたいですね。人気が集中して通院できるのは数カ月後という病院もあります。

もちろん、人気があるということは実績があるからだろうと推測できます。数カ月待っても通う価値のある病院も多いのでしょう。

しかし、数カ月待ってようやく通院を始めたものの、病院が遠すぎて通うのが辛い医師との相性が悪かったお金の負担が大きすぎた…といって転院を繰り返すことは妊娠するために貴重な時間を失うことにつながってしまいますよね。

それだけに、自分に合った病院選びというのは大切なのです。

※施設数等の出典元:日本産科婦人科学会ホームページ 

もも母ちゃん
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最低限、押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

病院選びで押さえておきたいポイント

大きな病院と小さな病院 どちらが自分に合うか

大学病院や総合病院などの大きな病院と、院長が一人ですべての患者さんを診る不妊治療専門クリニックは、どちらもそれぞれの良さがあります。

しかし、病院選びをするにあたってはどちらが自分に合うかをまず考えましょう。

例えば、大きな病院は、1人の患者に対して複数の医師が診療にあたります。複数の医師による知見の下、治療が進みますから1人の医師の意見に偏ることのない治療を受けることができます。

しかし、通院の度に担当医が違うことで相性の合う医師、合わない医師などがいると戸惑ってしまうこともあります。特に不妊治療の通院は自分の都合に合わせて曜日を選べないことも多いです。つまり、担当医を選べない場合もあるということです。

そう考えると、一人の医師が一貫して治療にあたる小さな病院の方が合うという人もいるでしょう。

もも母ちゃん
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大きな病院と小さな病院、どちらで治療を受けるか考えることから始めましょう

通院のしやすさ

体外受精は自分の予定とは関係なく、ホルモン値や卵胞の大きさなどによって治療を行う日が決まります。連日、通院が必要となることも多いです。

特に共働き夫婦の場合は、お互いの仕事の後でも通院することに差支えないか、遅くまで診療してくれるかという点は重要です。

人気があるからといって遠くの病院を選んで失敗しないようにしましょう。

もも母ちゃん
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交通費も見逃せません。通院回数を重ねると負担が大きくなっていきますよね

これらのポイントは自分であらかじめ確認することが可能です。職場の退勤時間から病院までの移動時間と交通費、病院から自宅までタクシーを使った場合の料金などはインターネットで調べることが可能です。

押さえておきたいポイント

  • 自宅から病院のアクセス、夫婦の勤務先から病院へのアクセスも問題ないか?
  • 仕事後でも通院できる診療時間であるか?
  • 安静が推奨される体外受精当日はタクシーでの帰宅も想定(交通費の面)



当該病院の体外受精の成功実績~妊娠率を全国平均と比べてみること~

女性の社会進出が進む一方で、晩婚化や出産の高齢化も進んでいます。共働き夫婦でお互い仕事が忙しく、不妊治療を始めるタイミングが遅くなったという方もいるでしょう。そのような方にとって、年齢別の妊娠率は気になるポイントですよね。

もも母ちゃん
もも母ちゃん
自分が35歳であれば、その病院で35歳の人がどれくらい妊娠できたのか?ということです

以下の表は日本における体外受精の妊娠率です。これを目安に通院しようとする病院の実績が高いのかどうかを確認しましょう。なお、ホームページに実績を公開している病院もあります。公表されていない場合は、病院の説明会等で聞いてみましょう。

ただし、以下の率の分子は妊娠数、分母は胚移植数です。分子と分母に何の数値をとるかによって妊娠率は変わりますので比較する際は注意しましょう。

年齢区分 ART(体外受精等)妊娠率(2016)
30歳 妊娠率 43%
35歳 妊娠率 38.8%
40歳 妊娠率 26%
45歳 妊娠率 6.4%
50歳以上 妊娠率 3.2%

ART治療実績等の出典元:日本産科婦人科学会ARTデータブック(PDF)より

妊娠率についてはこちらの記事でも紹介しております。

妊娠
体外受精の成功率(妊娠率)はどれくらい?成功しやすい方法や病院は?日本での体外受精の成功率(妊娠率)は2016年の調査では約30%(妊娠/胚移植数)と発表されれています(日本産科婦人科学会発表)。 ...

押さえておきたいポイント

年齢別の妊娠率が全国平均と比べて明らかに低くないか?

費用が適正かどうか~一般的な費用と比較すること~

お金の計算jarmoluk / Pixabay

体外受精は保険適用の医療行為ではなく、基本的に全額自己負担となります。費用も病院によって異なりますが、費用の内訳は大きく分けると、採卵にかかる費用と胚移植にかかる費用とその他(検査・薬剤など)となります。

費用は、約20万円~60万円※と病院によって幅があります。※費用の出典元:丘の上のお医者さん(神奈川県庁健康医療局)

たとえば、大学病院の順天堂医院※では、採卵226,800円+胚移植86,400円=313,200円です。※費用の出典元:順天堂医院

また、都内で有名な加藤レディスクリニック※では、成功報酬制度を適用した料金プランもあり、妊娠(+)の場合は558,400円~617,800円、妊娠(-)の場合は27,000円~229,400円です。※費用の出典元:加藤レディスクリニック

このように、病院によっても料金設定は異なる上、治療の進行状況・治療方法によって料金は異なります。

実際は、1回の採卵でどれだけの卵が採れるか、胚移植を何回実施するかによっても費用は大きく変わります。病院としても、治療前から具体的な見積りをすることは容易ではないでしょう。

もも母ちゃん
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公表されている料金を調べる場合は、少しでも安い病院を選ぶというよりも、家計で受容できる金額であるかということを確認しましょう

なお、自治体の指定を受けた医療機関で体外受精等の治療を受けた場合、助成金を受けることができます。助成金額や助成を受ける条件については各自治体のホームページで確認しましょう。注意したい点は自治体の指定する医療機関であるかどうかです。有名なクリニックであれば指定医療機関となっていると考えて問題ありませんが、念のため確認しておきましょう。指定医療機関は自治体や厚生労働省のホームページで確認できます。

特定治療支援事業指定医療機関一覧(厚生労働省)

押さえておきたいポイント

  • 通院する病院の費用がこれらの価格帯(20~60万円)から大きく逸脱していないか?
  • 助成金の対象となる指定医療機関であるか?

担当医は信頼できるか

医師との相性は大事ですよね。はっきり指示をしてくれる先生、寄り添ってくれる優しい先生、厳しくて怖い先生など有名な病院であればインターネットで様々な口コミを読むことができます。しかし、口コミを過度に信用する必要はありません。ある人には相性が合わなくても別の人には合うことも多々ありますよね。

自分が担当医を信頼できるかどうか、実際に話を聞いてみないとわかりません。説明会などで話を聞いてみましょう。

まず、体外受精の治療は専門的で技術的な内容が多いです。自分が納得して治療を受けるためには説明がわかりやすいかという点が重要です。また、いざ治療を行うとなった際、事前に具体的な施術の内容や料金の説明はあるか、何よりも信頼できる医師かどうかは、良いことも悪いことも隠さずに話してくれるかという点ではないでしょうか。

もも母ちゃん
もも母ちゃん
要するに医師と患者の関係も一般的な人間関係変わらないってことですよね

押さえておきたいポイント

  • 説明はわかりやすか?
  • 施術内容や料金はオープンか?
  • 良いことも悪いことも隠さずに話してくれるか?

まとめ~病院選びのチェックリスト~

以上、不妊治療(体外受精)を受ける病院選びのポイントを紹介しました。

最後にポイントをおさらいしましょう。

押さえておきたいポイントまとめ
  • 自宅から病院のアクセス、夫婦の勤務先から病院へのアクセスも問題ないこと ✔
  • 仕事後でも通院できる診療時間であること ✔
  • 安静が推奨される場合、タクシーでの帰宅も可能(交通費の面で)なこと ✔
  • 年齢別の妊娠率が全国平均と比べて明らかに低くないこと ✔
  • 通院する病院の費用が一般的な料金帯(20~60万円)から大きく逸脱していないこと ✔
  • 助成金の対象となる指定医療機関であること ✔
  • 担当医の説明がわかりやすいこと ✔
  • 施術内容や料金はオープンであること ✔
  • 良いことも悪いことも隠さずに話してくれること ✔

不妊治療は妻だけの問題ではなく夫婦の問題です。夫婦で納得した病院選びができるよう、押さえておきたいポイントを見える化して共有しましょう。そのために、自分が押さえておきたいポイントを加えて自分なりのチェックリストを作成することをおすすめします。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。ここまでご覧いただき、ありがとうございました♪

以下の記事ではわが家が最終的に妊娠できた病院にたどりつくまでの苦悩を体験談として紹介しています。

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