暮らしに役立つ基礎知識

【治療方法なしの奇病】うちの夫はビジュアスノウ(視界砂嵐症候群)

ビジュアルスノウ

皆さんは「ビジュアルスノウ」という言葉を聞いたことありますか?

ビジュアルスノウとは、視界に砂嵐のような小さなチリ、昔のテレビの放送していないチャンネルのようなザーザーというノイズが見える視覚異常のことです。視界砂嵐症候群、小雪症候群や雪視症とも呼ばれます。日本では眼科医でもあまり認知されていません。

わが家の夫は昔からこの症状に悩まされてきましたが、眼科医学会でも認知度は低く、日本はおろか、海外でも根本的な治療法は確立されていません

近年、インターネットをつうじて、この症状がビジュアルスノウと呼ばれるということ、同じ症状に苦しむ人が他にもいることを知りました。その情報がなければずっと夫の視覚異常を理解することはできなかったでしょう。

これまで、ビジュアルスノウを取り上げたテレビ番組は一つも観たことがありません。原因不明の奇病などをテレビ番組で特集されることはよくありますが、ビジュアルスノウは命に関わることもなければ失明につながるわけでもありません(今わかっている範囲では)。しかし、人間が情報を得る際の五感の割合では視覚が80%を超えると言われます。その視覚からの情報に常に不快なノイズがかかっているとしたら…。相当な苦労をしていることは容易に理解できます。

この記事の趣旨は、夫や同じ症状で苦しむ方が治療を受けられるようになるためには、国内外の研究者の方々にビジュアルスノウの研究を進めてもらう必要がある。そのためにはまず、ビジュアルスノウという視覚異常を広く社会に認知してもらう必要がある。との思いから、夫の実体験に基づく病状を紹介するに至ったわけです。

それでは、ビジュアルスノウについて紹介いたします!

ビジュアルスノウの原因・治療法は?

結論から言いますと、このビジュアルスノウ、根本的な治療法は見つかっていません。一般的な眼の検査をしても何も異常が出ません。そうなると、本人にしかわからない症状ですよね。医者も周囲の人も気づくことはないでしょう。

また、子どもの頃からビジュアルスノウだと本人にとってはそれが当たり前。チカチカ、ザーザー見にくいけど、みんなそうなんだろうと思ってしまうわけです。

最近、ビジュアルスノウの人についてMRIで脳の機能画像を撮って脳の代謝状況を調べてみたところ、通常の人にはない糖代謝の活動が診られたそうです。要するに目の異常ではなく、脳や視神経の働きに何らかの異常があるのでは?ということですね。

とはいえ、原因解明には至っていません。


自分(夫)の症状とビジュアルスノウに気づいた経緯

幼少期からビジュアルスノウ

私(夫)は幼少期から左眼だけがビジュアルスノウ(もちろん当時はそんな病名はありません)でした。それとの関係性は不明ですが左眼の視力が極端に悪いことが小学校に上がる際の就学前検診でわかりました。

幼少期の記憶として、右眼を隠したとき、いつも左眼がもやがかかるというか、ザーザーしているというか、チカチカしているというか、なんと表現したらよいかわからないノイズがあることに気づきました。一方、左眼に比べると右眼はクリアです。とはいっても完全にクリアなのかは自分ではわかりません。暗闇では右眼でも砂嵐が見えますし。程度が違うだけで両眼ともビジュアルスノウなのかもしれません。

左眼だけの視力が悪かったのですが、まだ年齢的に訓練をすればよくなるとのことで1日6~8時間、右眼を眼帯で隠し左眼だけで生活する訓練をしていました。毎日が苦痛でしたがその訓練のおかげで、小学校を卒業するころには眼鏡がなくても左眼の視力は1.0程度まで回復し、訓練は終わりました。

ビジュアルスノウと視力の関係は?

しかし、視力がよくなっても視界の砂嵐はまったく消えません。視力検査をする度に視力は良くなってはいたのですが、砂嵐が消えないので自分では不思議でした。ビジュアルスノウは直接視力とは関係なかったのでしょう。

今思えば左眼だけがノイズで見えにくかったので右眼だけで物を見るようになったため視力が悪くなっていたのだろうと考えています。私が幼い頃の話を親に聞いたところ、テレビを見るとき顔を傾けて見る癖があったそうです。無意識に見やすい右眼で見ていたのでしょう。

ちなみに、昔からこのような状況でしたので、みんながこう見えているんだろうと思っていました。人には利き腕があるように目も利き眼があります。私は右が利き眼だったことから利き眼ではない左眼はノイズがかかっているのだろうと理解していました。

はじめて眼科にかかった時には、「左眼がザーザーして見えにくい」といった趣旨の話をしましたが当時は軽く聞き流されたように記憶しています。

他にも同じ症状の人がいることを知る

数年前にインターネットでビジュアルスノウの人の見え方を画像で紹介する記事を見つけました。はじめてそれを見た時は「これだ…間違いない」と思いました。しかし、子どもの頃は当然そんなこと知りませんから、この見え方は仕方がないものだと諦めていました。

とはいっても、私の場合は左眼だけ症状が極端に強いことから、日常生活で両眼で物を見るときはそれほどノイズは気になりません。

両眼がビジュアルスノウの方はきっと想像できないほどの苦労があることとでしょう。ちなみにリアルな知人でビジュアルスノウという方にお会いしたことはまだ一度もありません。

ビジュアルスノウで苦労したことは?

学習面での苦労

とにかく、砂嵐状のノイズが不快。。小学生時代に左目の視力を矯正するために行った訓練は本当に苦痛でした。。家に帰ってから寝るまでの6時間くらいをノイズのある左眼だけで生活する。宿題をしようにも砂嵐で集中できません。文章を読むにも教科書に砂嵐がかかって内容が頭に入ってきません

勉強が苦痛でした。最近はビジュアルスノウと発達障害の関連性を疑う研究も聞いたことがあります。私は左眼だけでしたが、それでも教科書を読むこと、授業についていくことに必死でした。きっと両眼がビジュアルスノウだったら文字を読むことに集中できず学校の授業にはまったくついていけなかったことでしょう。

スポーツでの苦労

スポーツは球技全般が好きだったのですが、左眼だけでボールを追うことはまずできません。ノイズのせいか遠近感をつかむことが難しかったのです。

このことは説明しようとしても子どもの言い訳にしか聞こえませんし、ただセンスがない、へたくそなだけ、と周囲から理解されないことが辛かったですね。ただ、足の速さや体力に自信はあったので身体能力とビジュアルスノウは関係なさそうです。

車の運転

私のほかの症状としては、暗闇ほどノイズが強いうことです。夜間に左眼だけで車の運転をするということは危なくて絶対にできません。両眼でもすごく疲れますから夜間の運転は極力控えています。

偏頭痛

見え方に異常があることのほか、頭痛を頻発していました。ただし、小学校の時に頭痛が原因でCTを撮って検査をしたことがありますが異常はありませんでした。

ビジュアルスノウの方には偏頭痛を併発することがあるという情報もありますが、自分の場合は因果関係があるかは不明です。

その他の症状として、右眼と左眼で見えている色が違います。手の肌色が若干薄い色なのです。砂嵐のフィルターがかかっているからそう見えるのか、別の視覚異常なのかは判断がつきませんが。

おわりに

以上、ビジュアルスノウについて当事者の夫の話を紹介しました。

夫のビジュアルスノウ症状まとめ
  • 幼少期から常に視界に砂嵐状のノイズがある
  • 左眼だけ特にノイズが強い
  • 暗闇ほど症状が強く現れる
  • 右眼と左眼で見えている色が異なる(因果関係は不明)
  • 時々偏頭痛に悩まされる(因果関係は不明)

インターネットでの情報収集をつうじて、いくつかの眼科でもビジュアルスノウを診察してくれる病院にたどり着きました。後日、実際に診察に行く予定です。

今後もビジュアルスノウに関する最新情報がわかり次第、アップデートしてまいります。この記事が、夫と同じ症状で悩む方々の少しでもお役に立てれば幸いです。ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

清澤眼科医院のホームページでビジュアルスノウをわかりやすく解説されています → 清澤眼科医院のページ