不妊治療の体験談

【不妊治療】子宮卵管造影検査はどんな検査?痛みは?【体験談】

医師

卵管造影と聞いて「痛い検査」と思う方は結構いるのではないでしょうか。私は不妊治療を始めた頃、タイミング法を指導されていた時期に検査を受けたことがあります。

事前に聞いていた話ではとても痛いと聞いていたので、余計に緊張し恐怖しかありませんでした。

しかし、実際の感想は検査自体はそれほど痛くない。私の場合、検査後の方が地獄だった…。ただ、調べてみるとどうやら痛くない検査方法もあるようです。

そこで、今回の記事ではこれから卵管造影を受ける方が知っておくと参考になる基礎知識として、昨今の卵管造影事情も含め、患者の視点から御紹介します。

※紹介する内容は筆者の体験談に基づいて作成しています。治療方法や薬剤については医療機関等の公表する情報に基づいています。出典元を補記することで信頼性を確保するよう努めておりますが、実際に治療を行う際は、担当医の説明をよく聞き、相談のうえ判断するようお願いいたします。

子宮卵管造影検査とは?

ご存知の方も多いでしょうが、あらためて卵管造影の内容をおさらいしましょう。

子宮卵管造影検査とは、子宮内に造影剤を注入し、子宮の形や卵管の疎通状態をレントゲンで観察する方法です。

私が受けた検査の流れです。

  1. 膣からバルーンカテーテルを入れる
  2. カテーテルから造影剤(レピオドール)を注入する
  3. 造影剤が流れていく様子(子宮→卵管→腹腔)をレントゲンで医師と一緒に確認する

卵管は10cmほど、直径は細いところで約1mm。卵管が詰まっていればその先には流れていきません。写真で確認することで、子宮の形や卵管と卵巣の癒着などを調べることができるという検査です。

参考 出典元:

卵管造影後のゴールデンタイムとは?

卵管造影後はゴールデンタイム!」ともよく聞く話ですが本当でしょうか。

検査で造影剤をとおすことで一時的に卵管のとおりが通常よりも良くなる。その結果、受精しやすくなると考えられ、その効果の恩恵を受ける期間を「妊娠しやすいゴールデンタイム」と呼ぶことが多いのです。

治療的側面もあると考えられており、卵管造影検査を行う時期は月経の開始日から10日目がベスト、それから4~5日後に排卵日があるからです。

検査を受けた際の担当医に聞いた話では「卵管が詰まり気味だった場合、卵管のとおりがよくなることはあり得る話」というものでした。理屈としては考えられる話だという感じでした。

個人的には、検査の副次的な効果としても妊娠するという可能性はあるように考えています。つまり、患者自身が卵管造影後は妊娠しやすい期間であるという認識をもつ→貴重なゴールデンタイムを無駄にしたくないと考え、排卵日等の予測に努める→適切なタイミングをとる→その結果、妊娠するというものです。

参考 出典元:こまえクリニック≫子宮卵管造影(https://komacli.com/hakarame/hakarame11.html

卵管造影の痛みはどんな痛み?

私が受けた検査では、検査中は液体が逆流してくる変な圧迫感。検査中の痛みはそれほどではなかったです。しかし、検査後少し時間が経ってからお腹を壊した時のようなひどい痛みがやってきました…。

安静にしておけばよかったのかもしれませんが、仕事で動いたせいか2~3時間は痛い状態が続きました。

検査を受けた他の人に聞いた話やネットで調べた中では次のような声がありました。

生理痛のようなひどい痛みで検査後は1時間くらい動けなかった
座っていられないくらい痛かった…
あれ、もう終わった?というような感じで痛みはほとんどなかった

要するに個人差が大きいということですね。

もも母ちゃん
もも母ちゃん
緊張して力を入れると余計痛むから深呼吸してリラックスするといいようですよ♪全然リラックスなんて無理でしたが! 

卵管造影が痛い理由は?

私が検査を受けた際は、担当医から「卵管に詰まりや狭い箇所があると痛みを感じやすい」と言われていました。どうやら、粘性がある油性造影剤も原因の一つといった考えもあり、水溶性造影剤を使うことで痛みは回避できるという考えもあるようです。

卵管造影が痛いかどうかの分かれ道は造影剤で決まります。
普通「リピオドール」という造影剤を使うのですが、これは粘稠度が高いので(ネバネバしている)、強い圧力でギュ〜〜ッと注入しないと卵管の中を流れていきません。この「強くギュ〜〜ッ」が痛みの犯人なのです。しかし、あまり知られていませんが、別の造影剤があります。「イソビスト300」というもので、これは水のようにサラサラしています。ですから別に力を入れなくても卵管の中を流れていきます。そうです! このイソビスト300を使えば痛くないのです。

出典元:すごうウィメンズクリニック≫卵管造影は痛くない(https://sugo-womens-clinic.com/topics/02.php

もも母ちゃん
もも母ちゃん
たしかに検査ではズーンという圧迫される感触がありました

なるほど、水溶性造影剤を使用すれば、サラサラだから卵管を造影剤をとおるときに圧力が不要で痛みはないという理屈ですね。

ただし、いまだに油性造影剤を使う病院が多いということは理由(メリット)もあるのでしょう。


油性造影剤のメリット・デメリット

子宮卵管造影後の妊娠率は油性の造影剤の方が良いという論文が報告されています。

私には原文を読解する能力はありませんが、桜十字渋谷バースクリニックの院長先生がブログでわかりやすく解説しています。

  • 油性の造影剤を使用した方が有意にその後の妊娠率を上昇させたという結果
  • 油性の造影剤が妊娠率を上昇させる可能性のある根本的なメカニズムは不明
  • 油性の造影剤の理論的リスクとして塞栓症、肉芽腫、またはアレルギー反応の副作用がある
  • 妊娠率だけ見ると油性の造影剤を使用した方がよいかもしれないが、合併症を起こしやすい症例などは水性の造影剤を使用しても良いかもしれない。一人ひとりにあった検査法を計画立てていく必要がある

(参考 出典元:桜十字バースクリニック≫子宮卵管造影検査について(https://www.sj-shibuya-bc.jp/staff-blog/?p=192

また、私がSWCで体外受精を行った際には卵管造影は不要と判断されました。卵管のとおりがよくなることは自然妊娠においては有効と考えられますが、体外受精においてはそのプロセスは関係ないからです。

仮に体外受精前に卵管造影検査が必要と判断されても、卵管のとおりをよくする治療的効果を期待する必要はないですよね。そう考えると、痛い思いをして油性造影剤を使用するメリットはありません。そのような人には水溶性造影剤を使った方が負担が少なくてよいのではあくまでも患者としての意見にすぎませんが…

まとめ

以上、子宮卵管造影検査についての基礎知識を紹介しました。おさらいしておきましょう。

卵管造影まとめ
  • 卵管造影で感じる痛みは人それぞれ
  • 痛みを感じない場合もある
  • 深呼吸してリラックスすると痛みが和らぐという体験談もあり
  • 卵管造影後のゴールデンタイムは理屈上は可能性あり
  • 油性造影剤よりも水溶性造影剤の方が痛みは少ない模様
  • しかし、油性造影剤の方がその後の妊娠率が高くなるとの報告もある

卵管造影がどんな検査か、患者として知っておくと、担当医の説明の内容がよくわかって相談や質問もしやすくなりますよね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。