この記事では、移住希望者に村営住宅を無償譲渡すると発表した東京の檜原村について紹介します。報道を知ってとても気になったので観光がてら実際に見てまいりました。
募集は2019年2月5日からです!
毎日満員電車で疲弊している方の中には、綺麗な空気に素敵な景色、都会の喧騒から離れて暮らす田舎暮らしに憧れる方も多いのではないでしょうか。わが家も東京に家を買った今でも「いつかは田舎暮らしを…」と思っております。しかし、いざ暮らすとなると当然どんな場所か気になったり、不便で余計にお金がかかるのでは?などと不安になりそうですよね。
田舎暮らしをしたい方にとっては朗報な「檜原村に長く住み続けてくれたら村が家をプレゼントしますよ」と発表した檜原村に実際に行ってみたので紹介します。移住先を探している方に少しでもお役に立てれば幸いです♪
檜原村 村営住宅 条件付き譲渡へ
村営住宅の土地と建物を条件付きで入居者に譲渡することを盛り込んだ檜原村の条例案が10日、村議会定例会で原案通り可決された。村は過疎化と高齢化に悩んでおり、若い世代に移住や定住を促す狙いだ。(2018年12月11日 読売新聞より一部引用)
Contents
檜原村とはどんな村?
東京に住んでいない方はご存じないかもしれませんが、東京都です。都内では島しょ部を除けば唯一の「村」。東京の西の端、森に囲まれた自然豊かな村です。
- 東京都西多摩郡
- 都心から電車とバスで2時間
- 車なら中央自動車道で1時間ちょっと
- 面積105.1k㎡
- 人口約2千人
- 面積の9割が森に囲まれている
- 冬は滝が氷結
実際にいってみた
どうやっていくの?
新宿駅からは、JR中央線で立川で乗り換え、立川からJR五日市線で武蔵五日市駅へ。武蔵五日市から檜原村まではバスで20分ほどで着きます。車の場合は、中央道で新宿から1時間ちょっとです。
がんばれば都心への通勤もできる範囲かなと。海外で交通網が発達していない地域でしたら通勤2時間とか考えられますし。
村にはスーパーはある?
役場の隣に全日食チェーンのミニスーパー「かあべえ屋」があります。暮らす上で必要な生活雑貨や食品は手に入ります。ほかには小さな商店が数軒ほど。村民は近隣のあきる野市、日の出町(イオンモール)、立川市に車で買い物に行くことが多い印象です。ミニスーパーも買い物弱者のお年寄りのために、村が第三セクターを設置して開いたお店です。
村には飲食店はある?
あります。数は多くありませんが、お蕎麦屋さん、定食屋さん、うどん屋さんなど食べログで検索すると村内でもいくつか確認できます。
今回、私たちが行ったお店はヴィッラ デルピーノというイタリアンのお店です。地元の野菜を使った本格的なイタリアンを食べることができます。前菜、パスタ、パン、コーヒーのセットです。場所は払沢の滝(ほっさわのたき)の入口近くですので滝の見物のあとに立ち寄るには最適です。味はいうまでもなく美味しいです♪都心だったら間違いなく2,000円以上するメニューが1,000円で食べることができます。
こんな方が作っています →シェフ兼ソムリエの松村さん
なぜ村が移住促進しているの?
そんな檜原村ですが、人口が減って困っているのです。
村の抱える課題 2045年の人口は2015年比でマイナス62%!
人口は既に減少局面です。国立社会保障・人口問題研究所によると人口は今後30年でマイナス62%という深刻な状況。今いる2千人が8百人あまりになってしまいます。加えて、高齢化率も高く、現在は47%、30年後はなんと65%!ということです。
村を将来にわたって存続させるためにも若者を呼び込むことが必要ということでしょうね。
村の抱える課題 林業従事者の減少
東京都産業労働局「東京の森林・林業」によると、もともとこの辺の地域は山間部において林業がさかんでしたが、経営体数や林業従事者は長期的には減少傾向となっています。
林業は山を土砂災害から守るためにも必要なとても重要な仕事なのですが、これが現状です。
村営住宅の無償譲渡とは?誰が得するの?
深刻な人口減が続く檜原村が、過疎化対策の一環として打ち出したのが村営の「移住促進住宅」の無償譲渡です。20年間居住し、その後も住み続ける意思がある人に無償譲渡するというものです。では、どんな人が対象となるのかみていきましょう。
居住できる対象者は?
- 20年間以上住む意思のあること
- 40歳以下
- 配偶者か婚約者がいること
- 移住希望者か村民
どんな住宅?
- 新築の木造平屋建て
- 3LDK 68㎡
- 建築したのは2戸
- 役場の西約6.6キロの村道沿いの小岩地区
賃料は?
住み始めて20年間は月額5万円。中学生以下の子ども一人当たりマイナス3千円。
わが家だと子ども1人なので47,000円ですね。
収入基準はないの?
ないです!これ個人的には重要です!
多くの公営住宅は「公営住宅法」に基づき、収入基準が設定されています。それに対して、檜原村が建築する移住促進住宅は公営住宅ではありますが、公営住宅法に基づくものではありません。そのため、収入基準はないということです。
移住したいけど、公営住宅って聞いて関係ないかって思った方!大丈夫です!
いつ引越すの?まだ間に合う?
いつから入居?まだ間にあう?
- 募集:2019年2月5日~
- 入居:2019年3月下旬
興味のある方、ご安心ください!まだ間に合います!
2戸しか募集ないけど今回逃したら次はないの?
はっきりとはわかりません。村自体が山間部で新たに村営住宅を建てる土地を確保することが難しいとのです。今回は村出身者から土地の寄付を受けて実現に至ったとのこと。
同じようなケースが今後も続くかは何とも言えません。
個人的な見解ですが、今後の傾向としては今後は空き家が増えていきます。その所有者との調整次第では空き家を改修あるいは村が土地を購入して移住促進住宅を建てるということは考えられるのではないでしょうか。
空き家対策と人口減少対策の側面の両面からのアプローチを期待しましょう。
参考までに…
檜原村では「檜原村若年世帯定住促進事業」という事業もおこなっています。
檜原村では、村内において新規に住宅を建設または購入し、かつ、居住する若年世帯に対して、住宅の建設または購入について補助金を交付することにより定住の促進を図ることを目的として、檜原村若年世帯定住促進事業を実施しています。(檜原村HPより)
どんな人におすすめ?
単に現在の住居費を浮かせたいという人にはあまりおすすめできません。今回の村営住宅は、家賃5万円×12カ月×20年=1,200万円。固定資産税のかからない新築住宅を20年ローンで購入するようなイメージですよね。
安い家ということであれば、檜原村が紹介する空き家登録物件のなかで3LDK・84.2平米・平成4年築の一戸建てが350万円で売りに出されています。この物件は、村外から移住される人には10万円の移住費用と改修費用の半額(上限100万円)が支給されます。現在の住居費を抑える目的で数年で転居するのであれば中古でも十分でしょうから、そのような方には申し込むメリットは少ないでしょう。
その点、本当に檜原村に住みたい!田舎暮らしをしたい!という決意の下、定住を希望する人にはおすすめです。檜原村に長く住みたいから新築で一戸建てを建築したいと思っても、そう安く建てることはできません。そもそも、山間の村で平坦な土地が少なく、家を建てられる土地が限られているのです。土地の価格そのものは安くても家を建てるための造成費用が余計にかかり、近隣の市で同程度の家を建てるよりも割高になるというケースも想定されます。
また、村にとっては若い世帯に定住してもらうことが目的です。住居費を浮かせてお金が貯まったら転出するという方よりも、長く住んでくれる人に手を挙げてもらいたいと思っているでしょう。
さいごに
まとめます↓
- 20年以上住めば譲渡。20年までは月5万円
- 対象者は40歳以下で結婚(婚約)している人
- 新築3LDK、募集は2戸
- 単に住居費を浮かせたい人には他の方法(空き家物件)がおすすめ
- 檜原村に定住する決意のある人におすすめ
- 募集は2019年2月から!
ちなみに、現在東京23区に住んでいる方であれば、来年から地方移住に補助金が出ることになりました。
檜原村に移住して起業すると最大300万円、就業する場合で最大100万円です。以下の記事で取り上げていますので参考にしてください。

今後も移住促進のための珍しい取組やお得な制度がありましたらこのブログで積極的に配信してまいります!
移住を希望する皆様が豊かで充実した田舎ライフを送れることを祈っております!
お読みいただき、ありがとうございました♪