この記事では、無痛分娩での出産に臨んだ私の体験記を紹介します。
無痛分娩を選択しましたが、結果的に子宮口が開かずに帝王切開となった話です。
原因は「難産道強靭症」でした。無痛分娩のせいで帝王切開になったわけではありませんのでご承知おきください。
また、硬膜外麻酔の副作用として、激しい頭痛(硬膜穿刺後頭痛)にも苦しんでいました。
※痛みへのリアルな表現が多いので閲覧にはご注意ください。
Contents
出産に当たっての前提
- 関西の地元へ里帰り出産
- 妊娠高血圧症で予定日の20日前に管理入院
- 血圧が上がり、予定日の2週間前に計画分娩することに
- 分娩中は夫の立ち合いあり
無痛分娩1日目(硬膜外麻酔当日)
無痛分娩当日の朝、麻酔医に硬膜外麻酔用のカテーテルを挿入する措置をしてもらいました。
この日は陣痛促進剤を投与したものの、自然な陣痛は来ず、分娩は中止となりました。おなかの赤ちゃんはよく動いて元気でした。
分娩室から歩いて自室に戻って休みました。
無痛分娩2日目→朝から首が痛いぞ
この日は、朝から首の後ろが痛かったです。
首を曲げると痛みがあり、後からわかったのですが、硬膜外麻酔の際に硬膜に傷がつき、髄液が漏れることにより起こる副作用でした。。
この時点では、麻酔の副作用とは誰もわかっていませんでした。
痛みは徐々に首から後頭部と広がり、分娩台の上で態勢を変えるために頭を起こすだけでも痛みが出るようになりました。
担当医により意図的に破水。しかし、本陣痛は来ず分娩は断念。
赤ちゃんは心拍も安定しており、元気。翌日へ持ち越しとなりました。
夜になると、頭痛がひどくなり立ち上がれず。結局、この日はそのまま分娩室で寝ることに。
無痛分娩3日目→激しい頭痛
この日も1日中、分娩室で陣痛を待ったものの、子宮口が開かず。。
難産道強靭症との診断を受けました。
破水をして時間が経つと、赤ちゃんに感染症のリスクが出てきます。
夜中に自然な陣痛を待って、それでも子宮口が開かなければ、翌日の午後に帝王切開することに。
陣痛促進剤と麻酔も切れた後、食事が許されました。
しかし、頭が痛すぎてほとんど食べることができません。頭を起こすことができないので、トイレすら自力でいけません。
母体がそんな状況でも赤ちゃんはとても元気。心音チェックするときは嬉しくなりました。
無痛分娩4日目→陣痛も加わる
4日目の未明、本陣痛がきました。熱も39度に上がり、血圧も高くなってきたため、麻酔を投与。
麻酔は投与するとまもなく痛みがすっと消えるのですが、しばらくして麻酔が切れてくると陣痛がひどくなってきます。
3回目の麻酔を投与したころ、左足がしびれて動かなくなるのと、ぼーんという耳鳴りで右耳が聞こえづらくなってきました。
麻酔が切れるころ、陣痛の感覚も短くなり、陣痛の痛みもひどくなってきました。しかし、これまでの麻酔の量や、足のしびれや耳なりなどの謎の症状もあったため、麻酔は控えることに。
血圧も上がっていきました。常時測っている血圧も150~160、陣痛に耐えている時は180を超えたことも。
この頃、徹夜でずっとモニターを監視していた夫も慌て始めます。血中酸素濃度(SPO2)も低くなってきたからです。
さすがに3日もモニタリングし続けてきたこともあり、この頃の夫は数値を見て異常値がわかるようになっていました(笑)
助産師さんを呼び、状況を詳しく説明してくれました。
担当医も駆けつけ、診察をした結果、朝一で緊急オペとなりました。
急遽、緊急帝王切開することに決定
当初の予定を大幅に繰上げて、朝8:15からオペとなりました。
早朝でスタッフも手薄でしたが、分娩室の外では師長さんがオペ人員を手配する声が聞こえていました。
しかし、オペをするために分娩室からオペ室に移動する必要があります。
移動の際、また頭痛と闘うわけです。
頭を起こすだけで激痛。。徒歩での移動はおろか車椅子も無理、結局ストレッチャーで移動しました。
オペにあたって、脊髄麻酔を併用することになりました。太い針の注射ですね。
手術の緊張と寒さのせいか体の震えが止まらない。。さらに定期的に来る陣痛もあって、麻酔の体勢がなかなか保持できない。
さらに、無痛分娩用の麻酔は切れていたので注射に激痛。何か所も注射しましたがとても痛かったです。
麻酔の後、夫の入室が許可され、震える手をにぎってずっと声をかけてくれました。
その後、開腹。痛みはないけど何かされている感じ。皮膚が引っ張られる感覚がありました。
そして無事に出産。
手術中もずっと震えていましたが、赤ちゃんの顔を近づけてもらった時は、ほっとしました♪
お腹の縫合の際は麻酔のマスクを付けられ、意識が少し遠のく。縫合されている感覚はありました。お腹は傷跡が残りにくいよう糸ではなくホチキス?で固定されました。
オペ室に入ってからここまでの時間は30~40分程度です。
術後。後陣痛に苦しむ
縫合が完了し、麻酔のマスクを外すとだんだん意識が戻ってきます。
ストレッチャーで自室に戻ります。3日ぶりの個室。
体が寒くてまだ震えが止まりません。夫がずっとさすってくれていました。
少し落ち着いたと思ったら、次は後陣痛です。これがまた痛い。。
子宮の収縮剤も点滴されていましたので、余計に痛むわけです。
痛み止めの点滴もしてもらいましたが、切れると激痛。痛み止めを追加してもらいたいところでしたが、それまでの麻酔の量も多かったためできないとのこと。結局ひたすら耐えるのみ。
後陣痛は夕方くらいまで続きました。
なお、夫は一度東京に戻り、役所で出生手続きと会社での扶養の手続きを済ませ、翌日には病院に来てくれました。
痛み・張り・むくみレベル(主観)
- 頭痛 10/10
- おなかの痛み 10/10(後陣痛のため)
- 腸の張り具合 10/10(ほぼ動かず)
- 足のむくみ具合 9/10
産後1日目 腸が動いてくれない!
この日も頭痛がひどく、横になったままです。後陣痛はほぼ落ち着きました。
腸を動かしておならを出すために本来は積極的に歩かなければならないのですが、そんな余裕ありません。
高熱もつづき、38.5℃。ロキソニンを処方されたので痛みが強い時に飲みたかったのですが、発熱の原因を特定するために自己判断での服用はNGに。
昼間、助産師さんが赤ちゃんを部屋に連れてきてくれて、気持ちは元気に。
夕方、担当医の診察。腸の音を聞くが、無音…
腸が動かないと腸閉塞に。その場合はまた開腹手術が必要となるのです(´;ω;`)
鬼のような言葉をあとに去っていきました。
痛み・張り・むくみレベル(主観)
- 頭痛 10/10
- おなかの痛み 8/10
- 腸の張り具合 9/10(ほぼ動かず)
- 足のむくみ具合 9/10
産後2日目 肺血栓塞栓症リスク&地獄のレントゲン
頭痛はまだまだ続きます。硬膜穿刺後頭痛の治療はとにかく水分をとること。しかし、歩けないため、水分をたくさんとるほど足がむくんできます。
今度は血栓の心配も出てきます。肺血栓塞栓症の恐れがあるということで、足に機械を付けてむくみをとることに。
そしてレントゲン室へ。。歩けないので車椅子で移動。座った状態でも頭痛がひどいので車椅子での移動中も激痛でした。
レントゲンでは、看護師さんたちに支えてもらいながら立ち上がり、泣きながら撮影。
顔の穴全部から涙やら鼻水やらよだれを出しながらやっとの思いで終了。
ちなみに、こんなひどい頭痛ですが、横になるとまったく痛みはないのです。
腸が動いていないため、今日も食事は許可されず。夜にようやくおならが出始める。嬉しい!
痛み・張り・むくみレベル(主観)
- 頭痛 9/10
- おなかの痛み 2/10
- 腸の張り具合 2/10(排便始まる)
- 足のむくみ具合 6/10
産後3日目 ひどい頭痛が快方へ向かう
熱がやっと下がりました。また、頭痛もましになりました。車椅子に自力で乗れるようになったのです!
昼食からおかゆが解禁され、徐々に快方へ向かいます。数日ぶりにトイレに行くことも!そして、まさかのシャワーまで。
ただ、血圧はまだ150台…
妊娠高血圧症は出産すると血圧が正常になると認識していましたが、すぐに下がるわけではないようですね。
痛み・張り・むくみレベル(主観)
- 頭痛 5/10
- おなかの痛み 2/10
- 腸の張り具合 2/10
- 足のむくみ具合 6/10
産後4日目 劇的に回復
赤ちゃんと部屋で過ごす時間を増やすことができました。
乾いた咳が続いたので、まさか肺血栓!?とか心配しましたが薬飲んで一発で解消しました。
食事も普通食に戻り、子どもの授乳などもできるようになりました。
痛み・張り・むくみレベル(主観)
- 頭痛 3/10(たまに気になる程度)
- おなかの痛み 1/10
- 腸の張り具合 1/10
- 足のむくみ具合 5/10
産後5日~7日目(退院)
この頃は、頭痛もなく、熱も下がるなど体調もよくなりました。
ようやく入院生活を楽しめるようになった気がします。なんといっても入院食で選んだような病院でしたから(笑)
退院に向けた指導などを受け、7日目にようやく退院となりました。
さいごに
以上が、私の無痛分娩体験記でした。
無痛どころか痛みのフルコースでした。助産師さんには、たまにしか起きない副作用をほとんど経験したね、って言われていましたから。
なかでも、硬膜穿刺後頭痛は本当に辛かったです。
とはいえ、この頭痛も発生頻度的には数%程度とのことで、これから無痛分娩をする方にとっては気にしなくてもよいレベルです。
運悪く、副作用が起きてしまった方も、きっと良くなりますから大丈夫です!回復が遅いといわれていた私もあれって思うほど劇的に良くなりましたから。
なお、私は結果的に帝王切開という結果でしたが、無痛分娩自体にはメリットがたくさんあります。以下の記事で紹介していますのでお読みいただけると幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。