この記事は八丈島で導入された「キャッシュアウト」について紹介しています。
以下の記事では島では金融機関が少なく、ATMの使える時間も限られている点を説明したところです。
都会では、銀行がなくてもコンビニに行けばATMがあります。
クレジットカードの利用可能な店舗はそこら中にありますし、クレジットカードを使用したくない人にも、直接銀行口座から代金が即時に引き落とされるデビット決済を利用するという選択肢があります。
しかし、島ではそもそも現金決済のみの店舗が主流であるうえ、現金を引き出せる環境が限られているという問題がありました。
その解決策として注目すべきサービス「キャッシュアウト」が2018年7月14日から、離島ではじめて八丈島で開始されました!
Contents
キャッシュアウトって?メリットは?
キャッシュアウトとは、金融機関のキャッシュカードを使って、スーパーのレジやタクシー、居酒屋、ホテル、レストランなどで現金を引き出せるサービスです。
八丈島をはじめとする離島の共通の課題として、ATMの設置台数が少ないということがあると思います。
島のATM環境を知らずに来島した観光客にとって、現金を引き出せないことは不満のひとつになっていました。
たしかに、旅行に行くのに多額の現金を持ち歩くのって結構不安ですよね。
こうした問題を解決するために、八丈町が民間事業者(空港、ホテル、タクシー、スーパー等)と連携し、店舗のレジで現金を引き出せるキャッシュアウトを導入したということです。
キャッシュアウトのメリット~どんな効果が期待できる?
- 観光客の利便性向上。
- これまで現金が足りず購買を諦めていた消費がへることによって店舗の売上に繋がり、地元経済の活性化に。(特に、旅行のおわりに買うお土産を何にするかって財布の残金に左右されますもんね)
- キャッシュアウトサービス導入をきっかけにこれまで現金決済のみの店舗にデビット決済手段が導入される。これによってキャッシュレス決済の利用環境が拡大。
政府は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてキャッシュレス化を推進しようとしています。
現金決済が主流の離島においてはキャッシュレス化なんて無縁の話かと思っていましたが、キャッシュアウトの導入によって段階的にキャッシュレスが進んでいくかもしれません。
そもそもなんでキャッシュレス化を推進するの?
- 国によると、各国のキャッシュレス決済比率は米国41%、中国55%、韓国54%に対して日本は18%(経済産業省「キャッシュレス化の現状と推進(平成29年8月)」より)。
- オリンピックにはたくさんの外国人観光客が来日する。彼らはキャッシュレス決済が当たり前。店舗のインフラ整備が急務。
- お金の製造コストの削減。お金を刷るにも材料費・人件費がかかります。
- 偽札の防止。中国でキャッシュレスが進んだ背景には大量の偽札が出回ったことがきっかけだそうです。
- 治安の向上。現金を持たなくなれば強盗やひったくりなどの犯罪が減りますよね。
- お金に関わる犯罪の抑制。お金の流れが透明化されれば、脱税、マネーロンダリング(資金洗浄)などは防止されますよね。
- 企業・店舗の効率化。閉店後の売上金の集計作業など日常的な業務の効率化が進めば過剰な労働も抑制され、生産性の向上が期待できます。店舗の無人化などにも。
キャッシュアウトサービスのデメリット
- 加盟店でなければ使えないこと。八丈島では今のところ取扱いできる加盟店が少ないです。
- レジの混雑。レジが少ないスーパーの場合、キャッシュアウト目的の利用客が増えるとレジに行列ができることが考えられます。
- 引出可能上限額が低い。島内では3万~5万円ほどです。
- 毎回手数料がかかる。島内では1万円まで108円、1万円~上限額までは216円です。
町や一部の事業者がキャッシュアウトを推進しようとしても、そのインフラ整備(端末設置やPOSレジのシステム投資)には店舗の協力が不可欠です。ましてや高齢化の進む離島では高齢のスタッフだけで切り盛りしている個人商店も多いです。そのような環境の中でキャッシュアウトを普及させるのは簡単じゃないと思います。
率先して動いてくれる店舗がこれから増えることを期待します。
キャッシュアウトの使い方
キャッシュアウトの話に戻ります。利用は簡単で3ステップです。
- キャッシュアウトをレジで提示。店員さんに「キャッシュアウトをJ-デビットで」とお伝えし、端末にカードを通す。商品の支払いとキャッシュアウトを同時にもできます。
- 暗証番号を入力。自分でキャッシュカードの暗証番号を入力し、最後に確認キーをプッシュ
- 完了。キャッシュカードと利用控え、現金を受け取って終了です。
キャッシュカードと暗証番号が必要なのはATMと変わりませんね。
キャッシュアウトにはどの銀行のキャッシュカードでも使えるの?
J-Debit対応の金融機関については「J-Debitナビ-使えるキャッシュカードを探す(金融機関検索)」から検索が可能です。
ただし、もも母ちゃんはキャッシュアウト導入以降の八丈島に行けておりません。。ですので、実際に確認はできていません。どのキャッシュカードを使えるかは店舗によって異なる可能性がありますので、各店舗に確認する必要はあります。
どこのお店で使えるの?
八丈島では、5店舗でキャッシュアウトが利用できます。
愛光観光(タクシー)、スーパーあさぬま、居酒屋大吉丸、八丈島空港、リードホテル&リゾートの5店舗となっています。八丈島観光協会によると、上限額や手数料は以下のとおりです。
店舗 | 引出上限 | 引出単位 | 手数料(~1万円まで) | 手数料(~上限まで) |
愛光 | 3万円 | 1万円 | 108円 | 216円 |
あさぬま | 3万円 | 1千円 | 108円 | 108円 |
大吉丸 | 3万円 | 1千円 | 108円 | 216円 |
八丈島空港 | 5万円 | 1万円 | 108円 | 216円 |
リードホテル&リゾート | 5万円 | 1万円 | 108円 | 216円 |
最後に
以上、八丈島において導入されたキャッシュアウトサービスについてのまとめでした!
今後に向けて、八丈町は島内のキャッシュアウト導入を支援していくとのことです。また、日本電子決済推進機構は八丈島をモデルケースとして全国の島しょ地域、山間部や過疎地域などでJ-Debitキャッシュアウトの導入を支援していくようです。
八丈島でのキャッシュアウトがうまく活用され、成功例として全国展開されることを期待しています!
そして、離島ライフがこれまで以上に充実したものになるよう願っております!